ミラノとフィレンツェで出会った、心に残るイタリアの味と空間

Voyage【旅】

出張中に訪れたミラノの老舗リストランテと、フィレンツェの市場グルメ体験

少し前のイタリア、ミラノ出張で、仕事の合間を縫ってフィレンツェを訪れる機会がありました。ミラノでは、取引先の方におすすめいただいた伝統的なリストランテ「Al Matarel(アル・マタレル)」へ。1962年創業のこのお店は、ミラノ伝統料理の老舗として知られています。

お店に入ると、温かみのあるクラシックなインテリアが迎えてくれ、まるで時間が止まったような空気感。壁の装飾や照明もどこか懐かしく、ヨーロッパらしいテーブルコーディネートが印象的でした。明るく気さくなギャルソンたちも居心地のよさを引き立ててくれます。

ここでいただいたのは、人生初の「オッソブーコ」。骨付きの仔牛すね肉をじっくり煮込んだミラノ伝統料理で、サフランの香るリゾットとともに盛られ、骨の中心にはスプーンがささっている豪快な見た目に思わず驚きました。一口食べれば、ほろほろと崩れる肉のやわらかさと奥深い味わいに感動。お店は満席で賑やかでしたがゆっくりとゆったりとした時間が流れて、イタリアのライフスタイルを体感できる時間でした。

仕事が空いた時間に足を延ばしてフィレンツェへ

そして今回の出張では、たまたま空いた一日を使ってフィレンツェへ。駅近くのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会とサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局を訪れた後は、ランチに「Mercato Centrale Firenze(メルカート・チェントラーレ・フィレンツェ)」へ向かいました。

1階は地元の人々が通う食材市場で、並ぶ食材や食器からイタリアの暮らしぶりや文化が伝わってきます。そして2階のフードコートでは、自由に好きな料理を選び、気軽に本格的な味が楽しめるのも魅力。私は、イタリアらしい香りがたまらないトリュフとチーズのパスタを選びました。お手頃な価格ながらクオリティは高く、コストパフォーマンスに大満足。

午後は観光バスでフィレンツェの街を巡り、丘の上から町全体を一望したり、ポンテ・ヴェッキオを歩いて、橋を眺めながらアペリティーボを楽しんだり…。仕事と時差の疲れを癒してくれる、贅沢で豊かなひとときとなりました。

今回はイタリアでの体験でしたが、訪れた国の伝統料理や地元の市場に触れる旅は、食を通してその土地ならではのライフスタイルや美意識、インテリアの感性に出会える、かけがえのない時間でした。
ミラノの「Al Matarel」で味わった重厚で温もりある空間と、フィレンツェの市場で感じた日常の豊かさ。どちらも食文化や暮らしの丁寧さを大切にしたい方には特におすすめの体験です。

ほんの少しの時間ができたとき、思い切って足を伸ばす“プチ冒険”が、自分らしい暮らしをつくるヒントになるかもしれません。

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